新型コロナウイルス関連ニュース


新型コロナウイルス(COVID-19)はACE受容体を介さないと
人体の細胞・組織に侵入することができないことがわかってきました。
そのACE受容体は

1.喘息患者ではその発現が他の人より少ない
2.吸入ステロイドでその発現が低下する

つまり吸入ステロイドをきちんと吸入している喘息患者は感染しても
悪化しにくい可能性がある
ということがわかってきました

2020年6月に国立成育医療センターの先生方から下記の通りのうれしい報告がありました

 世界3か国(中国・米国・メキシコ)の8つの地域で行われたCOVID-19患者の発症や重症化に
 関連する背景因子を検討した論文のメタ解析

 

喘息の皆さん今こそ頑張って吸入続けましょう

COVID-19の治療についても大分理解されて来ており、酸素低下が生じてきたらサイトカインストームを疑い大量のステロイド、インターロイキン6をブロックするアクテムラ、血栓予防にフサンと従来ある薬剤でかなり救命できることがわかって来たようです。そのため人工呼吸器さらにはECMOまで至る症例が激減しているのでしょう。世界的にはデキサメタゾンが新たに承認されました。デキサメタゾンもステロイドの1種であり、今回の報告は投与量が少なめでしたが、酸素投与が必要となった症例=サイトカインストームを生じ始めている症例には効果がありそうです。日本を含め他国では倍量以上のステロイドをここぞというときに用いているようです。(小生の意見です)

さらにアビガンより抗ウイルス活性の高いネルフィナビルは単独治療で累積ウイルス量が約9%に減少し、ウイルス排除までの期間が約4日短縮。さらにセファランチン併用で効果が増強されることが分かっており(東京理科大学)、治験も開始されたようです(長崎大学)。もしうまくいけばCOVID-19感染も通常のインフルエンザ感染のようにネルフィナビル内服し、5〜7日間自宅待機で済むかもしれません。大いに期待しています。

アビガンも最も症例の少なかった6月の治験で症例数が各アームで30症例しか登録できず、残念ながら統計学的に優位差が出ませんでした。9月中までの治験が終了し、10月に承認申請に至りました。重症化まではしなくても症状の強い症例に効果があることが報告されています。最近ステロイド剤との併用で重症者の増悪を防ぐことができたという報告があるにもかかわらず、12月21日にやっと審議が始ましましたが、厚労省が承認した治験方法にも関わらず再び承認見送りになりました。
感染者数・重症者数が急増している昨今なぜ安全性などが確認されている薬剤が早急に承認されないのは厚労省の問題なのでしょうか。
頑張ってくれている富士フィルムの恨み節を掲載します

富士フイルムおよび富士フイルム富山化学のコメント

 本年3月に開始した、国内の企業治験にて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対する「アビガン」の有効性を、主要評価項目において統計学的有意差をもって確認できたにもかかわらず、COVID-19 に係る効能・効果などを追加する製造販売承認事項一部変更承認の可否が継続審議となったことは、非常に残念である。

 企業治験を開始した本年3 月は、COVID-19でみられる肺炎症状が急速に悪化する症例があるなど、病態解明がまだ進んでいない時期であった。急速に症状が悪化する患者さんへの救済措置を講じることは治験実施にあたっての倫理的課題でもあることから、医学専門家の意見を踏まえて治験のプロトコルを策定した。当該プロトコルは、適正プロセスに則ってPMDA(医薬品医療機器総合機構)に提示し、合意を得たものである。

 これまで富士フイルム富山化学は、COVID-19の感染拡大の抑止や流行の終息に貢献すべく、厚労省の要請の下、薬剤提供などを通じて観察研究に協力するとともに、各企業と連携して「アビガン」の増産も進めてきた。観察研究では、既に1000近くの医療機関で、1万人を超える患者さんに「アビガン」が投与されている。

 今後、早期承認取得に向けて、厚労省、PMDAと審議結果を踏まえた対応を協議していく。

リウマチの薬であるバリシチニブ(オルミエント)+レムデシビルがレムデシビル単独よりも酸素が必要な症例の改善日数を早めたという大規模study がNEJMに掲載されました。ステロイドとともに良いニュースです。
同様にアクテムラも一時効果がないという報告が相次ぎましたが、2021年2月重症症例の死亡率を下げるという報告が英国からありました。

イベルメクチン・カモスタットも治験が開始されているようです。

ファモチジン(ガスター)も内服者はCOVID-19の重症化率が少ないことが示されて来ており
海外で治験のうわさも出ています。

メトホルミン(糖尿病の薬)が処方されている糖尿病患者はCOVID-19関連死のリスクが低いとの報告が出ました。もともとメトホルミンはチェックポイント療法(有名なのがオプシーボ)に近い作用があり、処方kされている患者のガンの罹患率が低いことが報告されています。

長崎大からは 5-アミノレブリン酸 (5-ALA)と呼ばれる納豆や赤ワインに入っている天然のアミノ酸が一定以上の濃度でCOVID-19ウイルスの増殖を抑えることを2021年2月に発表、治験に入るそうです。


どのような症例が重症化しやすいかがわかれば、COVID-19対策も終盤を迎えそうです。

ワクチンに関しては、ファイザー・モデルナ・アストラともにアジア人接種歴が少なく、高齢者接種歴も少ないため日本人対象の治験をある程度してからのほうが安心して接種できるかとは思います。これから国立病院機構の医療従事者などの接種(でも60歳未満)が始まります。その結果をみてみましょう。
個人クリニック・公民館などの狭いところでの接種は、問題が出た場合対応ができませんので、現在のところは無理かと思います。日本人が慣れていない筋注による副交感神経反射などだれも予想していません。

マスクに関してはウレタンマスクの防御作用が皆無に近いことが報告されて来ており、2021年2月に米国のCDCが不織布マスク +布マスクで90%以上の防御率を報告しています。
マスク+アルコール消毒+会食を避けるだけでかなりの予防効果が期待できそうです。

         2021 2 12現在

いとう内科・呼吸器科クリニックホームページ