1.ワクチン既接種の年長児や青年・成人では乳児に典型的な笛声や痙咳発作が認められず、その臨床像は長期の咳といった遷延性咳嗽だけのことが多い。
2.保菌量は感染初期から少なく、菌培養検査による病原体検査は
WHOでも推奨していない。
3.保菌量の少ないワクチン既接種者、特に青年・成人では遺伝子検査に基づく病原体検査が必要。
4.日本ではPCRが導入されていない。
5日本で行っている菌凝集素価法は集団単位での免疫状況を知る手段としては有用であるが、感度が低いため個人レベルの診断には適していないと結論されている。
2013年2月よりPT−IgEが測定可能になり、4週間以内でも100以上で陽性となります。
6.百日咳菌は多くの抗菌薬に感受性を示し、抗菌薬投与5日後には生菌の排出が認められなくなる
以上から百日咳ワクチン接種前の小児が同居していないときは成人の長期の咳の治療として百日咳を考える必要は少ないと思われる。もっとも効果のあるクラリスロマシンを投与しても咳が改善しない場合が多く他の原因が主体なのが現実です。